22歳で精巣腫瘍と診断された私。
家に帰り、家族に「がんかもしれない」と伝えた瞬間の空気は今も忘れられません。
怒り、涙、沈黙・・・でも、その中で見えた“本当の家族の強さ”について書きました。
言葉にするのが、こんなに怖いとは思わなかった
病院で「腫瘍ですね」と言われた帰り道、
私は、ひたすら“どうやって家族に言おうか”を考えていました。
実家までは電車と徒歩で20分。
でも、その日は1時間以上かけて帰りました。
頭の中では何度もリハーサルをしました。
「落ち着いて話せば大丈夫」
「まだ確定じゃないし」
そう自分に言い聞かせながら。
でも、家のドアを開けた瞬間、
“いつも通り”のリビングの光景が目に飛び込んできました。
その日に限って兄弟も揃い、テレビの音、母の笑い声、父の晩酌姿。
その「日常」が、逆に重くのしかかりました。
「ちょっと話したいことがあるんだけど」
しばらく何も言えず、夕飯を食べ終えてから意を決しました。
「ちょっと話したいことがあるんだけど…」
その瞬間、家族全員の視線が一斉に自分に向く。
喉が渇いて、声がうまく出ませんでした。
「実は…がんかもしれないって言われた」
たったそれだけの言葉なのに、
時間が止まったような空気が流れました。
母の箸が止まり、
兄弟は目を丸くしてこちらを見つめ、
父は少しの沈黙のあと、静かにこう言いました。
「なんで症状があったのにもっと早く言わなかったんだ。」
怒鳴るというより、絞り出すような声。
その一言に胸が詰まりました。
母は涙をこらえながら、
「大丈夫なの?どこにできたの?」と必死に聞いてきました。
私はうまく説明できず、
ただ「手術するかも」としか言えませんでした。
「平和な日常に爆弾を落とすような感覚」
あの瞬間を、今でもはっきり覚えています。
家族に病気を伝えるというのは、
まるで平和な日常に“爆弾を落とす”ようなことでした。
自分の言葉一つで、家族の空気が一変する。
そして、私だけでなく、
家族みんなの人生にも“がん”という現実が入り込む。
その責任の重さにただ呆然としました。
でも同時に気づいたのです。
「自分一人の病気じゃない」ということに。
家族の「強さ」に救われた
翌日、母が病院に付き添ってくれました。
兄弟も「大丈夫だからな」とLINEをくれました。
あのとき、私は本当に弱っていました。
でも、家族の行動が心の支えになっていました。
本当はみんな、心配で仕方なかったんですよね。
それでも強くあろうとしてくれていた。
あの瞬間、家族って本当にすごいなと思いました。
今、同じような状況にいる人へ
もし今、あなたが
「家族に病気をどう伝えればいいか」悩んでいるなら、
無理にうまく話そうとしなくていいです。
泣いてもいいし黙ってもいい。
どんな形でも“伝えること”が一番大切です。
家族はあなたを責めるためではなく守るためにいるのだから。
まとめ:伝えることで強くなれる
・病気を伝えるのは、勇気がいること
・でも、その一歩が「支え合う」きっかけになる
・家族の強さは、想像以上に温かい
どんなに心細くても“あなたの味方はもうそばにいる”。
そう伝えたいです。
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