精巣腫瘍の初期症状とは?たった一つの違和感が人生を変えた話

精巣腫瘍1st

(読む目安:5分)

■ たった一つの違和感から始まった

それは、22歳の冬でした。
大学生活も終盤に差しかかり、卒業旅行や就職準備に追われていたある日、
ふとした瞬間に「ん?」と違和感を覚えました。

左のタマタマが、少し硬い。
痛みはまったくありません。
でも、なんとなく“前と違う”感覚。

私はもともと【陰嚢水腫】という、タマに水が溜まる体質でした。
小さい頃から医師にそう言われていたので、
「また水が溜まったんだろうな」くらいに思っていました。

押せば戻る、いつものこと。
――そう思っていたのです。


■ 「まあ大丈夫でしょ」その油断が危険だった

日常生活に支障もなく、痛みもない。
だからこそ、すぐに病院へ行く気にもなりませんでした。

実際、男性は“下半身の異変”を誰かに相談するのが恥ずかしい。
病院に行くことすらためらう人が多いと思います。
私もその一人でした。

ところが当時付き合っていた彼女が、
その異変に気づいたんです。

「ねえ、それちょっと大きくない? 一回病院行った方がいいよ。」

最初は笑ってごまかしました。
でも、彼女の真剣な目を見て、観念して病院へ行くことにしました。


■ そして言われた一言

近所の泌尿器科クリニックで、問診票を書いて診察室へ。
中には医師と女性の看護師さんが一人。
正直、恥ずかしかったです(笑)

「では、ベッドに横になって、パンツを膝まで下ろしてください。」

心臓がバクバク。
若い男性なら分かると思いますが、
“恥ずかしさ”と“緊張”で、頭が真っ白でした。

触診はものの数秒。
そして、診察が終わって数分後、
医師の口から出た言葉は――

「腫瘍ですね。大きい病院に行ったほうがいいです。」

まるで、コンビニで会話するようなトーンでした。
でも、私の耳には、その一言だけが強烈に残りました。


■ 「がん」という言葉が頭をよぎる

腫瘍って、つまり“がん”ってこと?
まさか、そんなはずは――。

そう思いながらも、胸の中では冷たいものが流れ始めていました。

病院を出てからの帰り道、
彼女と無言のまま歩いたことを覚えています。

あの時感じたのは「怖さ」でも「悲しさ」でもなく、
“現実感のなさ”でした。

ただ、心のどこかで
「これはもう、普通のことじゃない」と悟っていたような気もします。


■ 精巣腫瘍とは?(少しだけ専門的な話)

ここで簡単に説明します。
精巣腫瘍は、20〜40代の若い男性に多いがんです。
男性が一生のうちにかかる確率は、約1万人に1〜2人。
珍しい病気ですが、発見が遅れると転移しやすいのが特徴です。

しかし、早期発見であれば治癒率は95%以上。
「痛みがないから大丈夫」と放置することが、最も危険なんです。


■ 今、伝えたいこと

当時の私は、彼女がいなければ病院に行かなかったと思います。
もしかしたら、気づいた時には手遅れだったかもしれません。

「恥ずかしい」よりも「命を守る勇気」を。
男性だからこそ、身体の異変に敏感であってほしい。
それが今、私がこの体験を発信している理由です。


■ まとめ:ほんの少しの違和感が、未来を変える

・痛みがなくても“硬さ”や“腫れ”を感じたら病院へ
・精巣腫瘍は早期発見でほとんどが治る
・恥ずかしさよりも、自分の命を守ることが大切

もしこの記事を読んで、
「少し気になるかも…」と思った方がいたら、
ぜひ、今日中にでも泌尿器科に行ってください。

あなたの“勇気ある一歩”が、
未来の自分を守ることになります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました