質と量──希望と現実のあいだで

不妊治療

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精子凍結に挑んだ結果、突きつけられたのは「量が少ない」という現実──
通常10分割できるはずの凍結管が3分割しかできなかった。
病気の影響だけでなく生活習慣の積み重ねも関係する可能性。
体外受精40%という希望を信じ“未来を諦めない選択”をした記録。

■「質」だと思っていた──しかし現実は“量”だった

妊活を始めるうえで私が最も気にしていたのは「精子の質」でした。

がんの治療を経て、年齢も重ね、
「運動率や活動性が落ちているかもしれない」
そんな覚悟をしていました。

しかし、診察室で医師から伝えられたのは、
予想外の言葉でした。

「精子の量がかなり少ないですね。」

思わず、
「量??」とつぶやいてしまいました。

■精子凍結のリアル──“1本の中身”が未来を左右する

説明を聞きながら、
私は初めて“精子凍結の現実”を知りました。

1本の凍結管の中には複数の精子が入っていて、
それを10ほどの小分けにして使用します。
女性側の採卵で得られた卵子と、
その小分けした精子を“マッチング”させる──。
(というのが聞いた中で私が理解したイメージ)

しかし私の場合は違いました。

通常なら10個ほどに分けられるところ、
わずか3つ程度しかできなかったのです。

つまり
「1本の中身が薄い」=「チャンスの数が少ない」

数字で見ると一目瞭然。
それは単純でそして残酷な現実でした。

■原因は病気だけじゃない

医師は静かに言いました。

「腫瘍が影響している可能性もありますが、
体調や生活習慣も関係してくるかもしれません。」

思い返せば、最近は睡眠も浅く、
運動不足、ストレスも多め。
退院後の生活リズムは乱れがちでした。

つまり身体の状態そのものが、
“生命をつなぐ力”を下げていたのかもしれません。

■「今の自分」で未来を決めたくない

ふと、心の中で思いました。

「今の状態の自分で未来を決めてしまっていいのか?」

体調も、心も、整っていない。
それなのに“将来”を決断してしまうのは違う。

そう思い、私はいったん精子採取を見送り、
日を改めて再チャレンジすることにしました。

■医療の進歩がくれる“希望”

話の最後に医師はこう言いました。

「体外受精の成功率は40%前後。
昔よりずっと高くなっているんですよ。」

その言葉に心が少し軽くなりました。

以前なら“奇跡”と呼ばれていたことが、
今では“現実的な希望”になっている。
医療の進歩は本当にありがたい。

「諦めなければ、まだ可能性はある」
そう思えるだけで前を向けました。

■“整える”という選択

その日から私は生活を見直しました。

  • 睡眠をしっかりとる
  • 軽い運動を取り入れる
  • 栄養を意識して食事を整える
  • お酒は控える

ほんの数日でも意識が変われば行動が変わる。
“未来の家族”のためにできることは全部やりたい。

そう思いながら、
私は再び採取に挑むことを決意しました。

■未来を諦めない理由

たとえ結果がすぐに出なくても、
それは「終わり」ではなく「始まり」だと思っています。

がんを経験しても、
手術をしても、
希望を持てる時代がある。

医学の力と自分の意志。
この二つがあれば道はきっと開ける。

■ この記事のポイント

  • 「量が少ない」という現実も、希望を捨てる理由にはならない
  • 今の自分を責めるより“整える”ことに目を向ける
  • 医療の進歩が人生の選択肢を広げてくれている

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