“原因不明”の診断──ギラン・バレー症候群の影が見えた日

ギランバレー症候群

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体が動かないのに、原因がわからない。
病院をいくつも回っても答えが出ず、
自分の体が壊れていく恐怖と不安に押し潰されそうだった。
やがてたどり着いた病名は――「ギラン・バレー症候群」。

■ 原因が“わからない”という地獄

「検査結果、特に異常は見られませんね。」

先生にそう言われたとき言葉を失いました。

脚に力が入らない。
手が震える。
ペットボトルのキャップも開けられない。
明らかに“何か”がおかしいのに「原因がない」と言われる。

そんな理不尽があるでしょうか。

がんのときも怖かった。
でもあの時は“敵の名前”があった。
今回はその敵すら見えない。

ただただ、身体が壊れていく感覚だけが残る。
それはじわじわと心を蝕んでいくものでした。


■ 医者を渡り歩く日々

「神経の病気かもしれませんね」
そう言われて次に紹介されたのは整形外科。

電気を流して反応を見る検査を受けましたが、
やはり「原因は不明」。

整形外科の先生も首をかしげていました。

家に帰ってから、私は必死で検索しました。
“筋力低下 原因不明”“両手両足 動かない 病気”
そしてある病名にたどり着きます。


■ ギラン・バレー症候群

それは「ギラン・バレー症候群」。

高熱のあとに手足が動かなくなる。
進行すると呼吸もできなくなる。

まさに自分の症状と一致していました。

私はすぐに病院へ行き先生にこう言いました。

「ギラン・バレー症候群じゃないでしょうか?」

すると医師は少し面倒そうに言いました。

「あぁ、そうかもですね。じゃあ……どこか紹介しますね。」

そしてなんとその場でスマホを取り出し、
Google検索で病院を探し始めたのです。

「……え、先生、それ僕でもできますけど?」
思わず心の中でツッコミました。


■ 初診で“いい医者”に出会う難しさ

後から聞いた話では、その先生は
「専門外には関わりたくないタイプ」だったようです。

今思えば、ここでの初動が完全に失敗でした。
病気って診断のスピードが何より大事なんです。

原因不明のまま1ヶ月半が過ぎました。
脚の筋肉が“ブチブチ切れるような痛み”。
肩は凝り固まり、腰も悲鳴を上げる。
寝返りをうつたびに電気が走るような激痛。

“生きてるだけで疲れる”という表現が、
あれほどリアルに感じられたのはこの時だけです。


■ そして、ついに“その日”が来た

東京の空にブルーインパルスが飛んだ翌日。
2021年、東京オリンピックの夏。

紹介された大病院で、私はようやく“答え”に近づきます。

医師は私の検査データを見ながらこう言いました。

「ギラン・バレー症候群の可能性があります。
ただかなり珍しい症状ですね。」

そして続けました。

「入院しながら検査と治療を進めましょう。」

その言葉を聞いた瞬間、
全身の力が抜けて涙が出そうになりました。

「やっと……見つかった」
そう思いました。

1ヶ月半、原因がわからず、
ただ不安の中で過ごしてきた毎日。
やっと“名前のある敵”にたどり着いたのです。


■ 安堵と恐怖は、同時にやってくる

でも、安心したのも束の間。
医師の言葉が頭に残りました。

「稀な症状なので、進行が早い場合もあります。」

やっと見つけた“病名”は、
安心と同時に恐怖をもたらしました。

それでも私はようやく光が見えた気がしたのです。

🩹メモ:診断までの注意ポイント

ギラン・バレー症候群は発症初期では
「筋肉痛」「神経痛」「腰痛」と誤診されることが多いです。

  • 症状が左右で違う
  • 一度回復したように見えて再び悪化
  • 微熱・胃腸炎後の筋力低下

このようなケースでは、神経内科の受診が重要です。

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