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精巣腫瘍再発を告げられ、心が折れそうになった夜。
母の「ごめんね」妻の「生きててくれればいい」という言葉に救われた体験談。
病気はつらい。だけど“愛に気づく時間”でもある。その想いをリアルに綴ります。
■再び“がん”と向き合った日
がん専門病院での診察を終え、
再発の可能性を告げられたあの日。
張りつめていた心は、いつ切れてもおかしくないほどギリギリの状態でした。
それでもなんとか気持ちを保ちながら、
妻と実家にLINEを送りました。
すると、普段は仕事中にほとんど返信をしない妻からすぐに返事が返ってきました。
「早く見つかってよかったよ。無理せず治してね」
短いけれど、あたたかい言葉。
そして実家の家族LINEからも、
「とにかく治療に専念して」
とメッセージが届きました。
その瞬間胸の奥からじんわりと何かが溶けていくような感覚がありました。
本当に家族に支えられている。
心からそう思いました。
■母から届いたLINE
病院を出て、近くの飲食店を探して歩いていると、
母から個別のLINEが届きました。
「辛いだろうけど頑張ってね」
そのあとに続いたのは、
一瞬、息が止まるような言葉でした。
「健康に生んであげられなくてごめんね」
そのメッセージを見た瞬間、
私は道の真ん中で泣き崩れそうになりました。
「母ちゃんのせいじゃない」
「そんなこと言わないでほしい」
「絶対に治すから」
そんな想いが込み上げて、
道端で涙をこらえきれませんでした。
母の優しさ、苦しさ、祈り。
その全部が文字に込められていました。
■妻の言葉が心を包んだ
家に戻り、今日の出来事を妻に話しました。
がんの疑い、手術のこと、精子凍結のこと、
そして「これからのこと」。
すべてを話し終えた後、
妻は静かに私の目を見て、こう言いました。
「あなたが生きててくれればいいよ。」
もう言葉が出ませんでした。
結婚してまだ間もない。
子どもが欲しいと話していた。
未来を一緒に描いていた。
それなのに――
“それよりも命を”と言ってくれた。
あ~この人と結婚してよかった。
心からそう思えました。
■母の愛、妻の覚悟
母の「ごめんね」も、
妻の「生きててくれればいい」も、
どちらも同じ「愛」から生まれた言葉でした。
親の愛は「命をくれた愛」
妻の愛は「命を守る愛」
私はその両方に包まれて生きている。
そしてその“愛”こそが、
私をもう一度立ち上がらせてくれたのだと思います。
■病気は愛を気づかせてくれる出来事
病気は誰にとってもつらい。
だけど同時に――
“愛を実感する時間”でもあるのかもしれません。
あの日母と妻がくれた言葉を、
私はこれから先、何度も思い出すと思います。
それはきっと、どんな薬よりも、私を支えてくれるから。
■ この記事のポイント
- 病気のときこそ、人の優しさが心に沁みる。
- 親の愛とパートナーの愛、どちらも命を支える力になる。
- 「生きていてくれること」こそ、何よりの価値。
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