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精巣腫瘍2回目の手術当日。想像していた静寂な手術室とは違い、医療スタッフの声や機械音が響く“生命の現場”でした。恐怖よりも「生きたい」という強い意志が勝った瞬間、そして妻の言葉に支えられた手術直前のリアルを描いた体験記。手術前の心境と医療現場の現実を伝えます。
■いよいよ手術の日
「頑張ってね」
妻のその一言を胸に私は手術室へと向かいました。
ついにこの日が来ました。
■予定の変更に翻弄される朝
朝イチ、ナースステーションへ体重を測りに行くと、
看護師さんがこう言いました。
「昨日の夜に決まったんですが、午後予定だった手術が午前10時からに前倒しになりました」
…え?そんな急に?
妻には「午後だから11時ごろに来てくれればいいよ」と伝えていたのに。
すぐにLINEで連絡をすると、夜更かししてドラマを観ていたらしい妻が
「すぐ行くね!」と返信してくれました笑
両親はなかなか既読がつかず、
おそらく手術が終わる頃に着く予定になりそうでした。
■“市場”のような手術フロア
妻と少しだけ話して、
看護師さんに案内され手術室フロアへ。
映画やドラマで見た“静かな空間”とはまるで違いました。
廊下には医師や看護師が慌ただしく動き、
機械音、会話、準備の音…。
それはまるで“市場”のように活気づいていました。
「手術」という言葉の持つ重苦しさとは裏腹に、
医療の現場は“生きるための戦場”なんだと実感しました。
■手術室でのリアル
担当の看護師さんが優しく声をかけてくれました。
「お名前、生年月日、手術内容の確認をしますね」
何度も繰り返される確認。
それだけ“命”に関わる行為なのだと改めて思いました。
手術台に横たわると、
右腕にはバイタルの装置、左腕には点滴。
輸血用の管もつけられ、
徐々に「逃げられない現実」を実感していきます。
■麻酔の瞬間
麻酔科の先生が顔をのぞき込み、
「リラックスしてくださいね」と声をかけてくれました。
マスクが顔に当たり、
「深呼吸してください」と言われた瞬間、
少しだけ妻の顔を思い出しました。
「頑張ってね」
その言葉を思い出しながら、
私はゆっくりと息を吸い、
意識がすっと遠のいていきました。
■生と死の境界線
静寂と光の中、
ほんの数秒で眠りに落ちた感覚。
手術前の数時間を今でも鮮明に覚えています。
緊張と恐怖、そして“生きたい”という思い。
不安はあったけれど、
不思議と「死ぬかもしれない」という怖さは薄れていました。
それよりも、
“ここで生き延びる”という気持ちのほうが強かったのです。
■妻への想い
ストレッチャーで運ばれながら、
ふと頭に浮かんだのは妻の笑顔でした。
「あなたが生きててくれればいい」
その言葉にどれだけ救われたか。
この日改めて「生きて帰ろう」と心に誓いました。
■手術室はドラマでは描けないリアルがある
手術室という場所は、
決して静かな“神聖な空間”ではありません。
医療機器の音、スタッフの声、動く足音。
そのすべてが“命をつなぐための音”でした。
■ この記事のポイント
- 手術は「静寂」ではなく「生命の現場」
- 医療の現場は“生きるための戦場”
- 恐怖よりも“生きたい”という意志が勝った瞬間
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