【実体験】私が使った4つの制度完全ガイド

お金について
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病気になった時、 身体の辛さと同じくらい重くのしかかるのが『お金の不安』 です。
日本の社会保障制度は世界でもトップクラスに充実しています。
しかし、その多くは『申請主義』です。
つまり 、自分から「助けてく ださい」 と手を挙げ、書類を提出しない限り誰も助けてはくれません。
制度を知っているか知らないかで、手元に残るお金には数十万円、 場合によっては数百万円もの差が生まれます。
これから実際に私が使った制度を紹介していきます。

制度を知っておくこと

私が実際の闘病生活の中で手続きを行い、救われた制度ばかりです。
中には若年層に限るものもありますが、ほとんどの方が利用できる制度です。

病気になった時、 私たちのお金の流れには「支出の増加」 と「収入の減少」 という 2つの大きな波が同時に押し寄せます。
さらに、後遺症が残れば「長期的な負担」 が続き、 若い世代であれば「将来のライフプラン(結婚・ 出産など)」への影響も懸念されます。決して全部を覚える必要はありません。
いざという時に「そういえば助けてくれる制度があったな」と思い出してくれればよいと思います。

実際使った4つの制度

私のような若年層が必要とする制度も含めると大きくは4つとなります。

1.支出を抑える「高額療養費制度」
医療費の青天井を防ぎ、  自己負担に上限を設ける盾となり ます。

2.収入を支える「傷病手当金」

働けない期間の給与を補償し、 生活費の枯渇を防ぎます。

 3.長期戦を支える「障害者手帳」

後遺症や障害が残った場合、 税制優遇や公共サービスの割引で生活コストを下げます。

4.未来を守る「生殖機能温存治療費助成」

がん治療による不妊リスクに備え、 将来子どもを持つ希望を金銭面から支えます。

保険に入ることも大切ですが、 まずは「最強の保険制度」 であるこれらの制度を使い倒すことが、
お金の不安を解消する第一歩です。
もう少し踏み込んでみましょう。

高額療養費制度   医療費の「上限」 を知る

【概要】

1ヶ月(1日から末日まで) にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、 年齢や所得に応じた「自己負担限度額」 を超えた分が払い戻される制度です。

【自己負担の上限目安(一般的な会社員の場合) 】月額 約8〜9万円 程度

【こんな人に必須】

・手術や入院を控えている方
・抗がん剤治療など高額な通院治療が続く方
・医療費が払えるか不安な方

【見落としがちな注意点】
■月をまたぐと損をする: 計算期間は「暦月(1日〜末日」)  です。月をまたいで入院すると、 それぞれの月で上限額まで負担する必要が出る場合があります。
■対象外の費用がある:差額ベッド代(個室代)、食事代、先進医療費、自由診療などは全額自己負担です。
■「限度額適用認定証」  の事前取得: これがないと窓口で一旦3割負担(高額)を支払う必要があります。
→マイナンバーカードによってワンストップに!

 傷病手当金  給料の代わりを受け取る

【概要】

病気や怪我で会社を休み、 十分な給与が受けられない場合に健康保険組合、けんぽ協会から支給される制度です。
会社員(健康保険加入者) 独自の特権であり 、 国民健康保険(自営業など)には原則ありません。

【支給額と期間】

給与(標準報酬月額) の 約3分の2 を、 最長 1年6ヶ月 受給可能

【こんな人に必須】

入院や自宅療養で仕事を休む予定の方

有給休暇を使い果たしてしまった方

休職中の生活費に不安がある方

 

【見落としがちな注意点】

  • 入ってくるのは2/3でも社会保険料などは引かれてしまうため、実質半分くらい(会社によって違う)
  • 申請したらすぐに毎日口座に振り込まれるわけではなく、月単位、もしくは治療期間によって申請のやり方が変わる

 障害者手帳 長期的な生活を支える

【概要】

身体や精神に一定以上の障害があることを証明する手帳です。
税金の控除や公共サービスの割引など、 様々な経済的メリットを受けられます。

【主なメリット】

所得税・ 住民税の控除、 自動車税の減免、 公共交通機関の運賃割引、 医療費助成など

【こんな人に必須】

  • 病気の後遺症で日常生活に支障がある方
  • リハビリ 中だが、 移動や生活に困難を感じている方
  • 一時的であっても障害認定基準に該当する方

【見落としがちな注意点】

■一時的な障害でも対象になる: 必ずしも「一生治らない」 ことが条件ではありません。
回復見込みがあっても 現状固定していれば取得できる場合があります(有期認定など) 。
■交付までの期間:   申請から交付まで1〜3ヶ月程度かかり  ます。
■指定医の診断書: 身体障害者手帳の場合、 指定医による診断書が必要です。

生殖機能温存治療費助成  未来の希望をつなぐ

【概要】

東京都でがん治療(抗がん剤や放射線など) の影響で妊孕性(妊娠する力) が低下する恐れがある場合、 治療前に精子や卵子を凍結保存する費用を助成する制度です。

【助成対象】

精子凍結、 卵子凍結、 受精卵凍結などの費用(自治体により 上限額は異なる)

【こんな人に必須】

  • これからがん治療を受ける43歳未満の方
  • 将来、 子供を持ちたいと考えている方
  • 抗がん剤や放射線治療の予定がある方

【見落としがちな注意点】
■各地区によって制度が違うため確認が必要

これらの制度はどれか一つを選んで使うものではありません。
状況に応じて組み合わせることで、初めて鉄壁の守りとなります。

私の場合、 以下のように活用しました。

1. 精子凍結助成で将来の希望を残し、 安心して治療へ進む。

2. 高額療養費制度で、 数十万かかった入院・ 手術費の支払いを十万円程度に抑える。

3. 傷病手当金で働けなかった4週間分の生活費を確保する。

4. 障害者手帳で税金や交通費等を軽減する。

それぞれの制度が経済的な破綻を防いでくれたのです。

今日からできる3つのアクション

「病気になってから調べればいい」 と思っていると、 精神的な余裕がなくなり、判断を誤ったり 手続きが遅れたり します。
健康な今のう ちに、 以下の3つだけは確認しておいてく ださい。

1.自分の健康保険証を確認する

加入しているのは「協会けんぽ」 ですか? 「組合健保」 ですか? それによって、 独自の付加給付(上乗せ保障) があるかもしれません。

2. 住んでいる自治体のHPを見る

「〇〇市医療費助成」「〇〇市がん助成」 などで検索し、どんな制度があるかざっくり把握しておきましょう。

3. 会社の就業規則を読む

会社独自の「病気休暇」 や「休職制度」 がどうなっているか、 給与の扱いはどうなるかを確認してく ださい。

本記事では概要をお伝えしましたが、次回以降さらに個別で制度について触れていきます。

実際に私が支払ったリアルな金額、 制度の隙間で発生した「想定外の出費」 については、
各詳細記事およびNoteで公開しています。

Note:【領収書・実データ全公開】病気を経験したFPが本気で書くライフプランの大切さと、お金の不安を減らすためにやるべきこと(Coming Soon)

この記事を書いた人
maromau

3度の大病(精巣腫瘍を2回/ギラン・バレー症候群)を経験。
「不安の中にも希望はある」をテーマに生きるヒントを発信しています。
病気のこと、お金のこと、感じたこと、気づいたこと、色々と発信をしていきたいと思います。

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